2009年02月10日

ペーパーバックの匂いの香水

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こういうのがあります。
ペーパーバックの匂いの香水。
2年くらい前に新宿伊勢丹の地下で買いました。
ネタとして買ったので身につけてはいません。
匂いは甘ったるい紙の匂いとインクのような
鋭い匂いが混ざってます。古いペーパーバックをイメージして
いるようです。
posted by Boolean at 20:46| 雑記

2007年10月05日

Thomas Harris "Hannibal Rising"2



すみません。つまらないネタを二ヶ月もひっぱってしまいました。

で、この小説の何が安っぽかったかって話なんですが。

まず、戦争のせいで身寄りのなくなったハンニバルは
彼のおじである人物に引き取られるわけなんですが、
その奥さんが「レディ・ムラサキ」という日本人女性なんです。

このレディ・ムラサキが日本人から見たら大爆笑ものの
いんちき日本人なのです。

ふだんは淑やかな女性なのに、
いざとなったら"Kiai!!"とかわけのわからない雄叫びを
あげてむくつけき男を倒してしまったりするのです。

多感な少年期のハンニバルはこの美しくエキゾチックな女性に
一目惚れしてしまい、彼女の影響を多大に受けることに
なります。

彼女と一緒に原爆の被害者の治癒を祈るために
千羽鶴(!)とか折ったり、お習字をたしなんだり
するのはまだいいとして。

日本の美しき芸術「生け花」を知った彼は、

生けてはいけないものまで水盤に生けてしまいます。

レクター博士を御存じの方なら
何を生けちゃったのかは想像つくと思いますが。

あと、レディ・ムラサキおかかえのシェフが
「ほほ肉はどんな生き物でも一番美味しい部分なんだ。」
と豆知識を御披露してくれただけで、
ハンニバル少年はあっさりと影響を受け、
殺っちまった人間のほほ肉は食べることにしたらしいです。
安っぽいよ。安っぽいよ。
雑誌の情報だけでおすすめスイーツに群がる
頭の軽い女みたいだよ。

あの怪物レクター博士の心の闇が醸成される過程を
心震えながら読みたかった読者の気持ちを踏みにじり捲りだよ。

あと、ハンニバルの妹を殺した戦犯が、
妹のつけていたブレスレットを自分の娘にあげてましたが、
いくら悪党だって、非業の死をとげた子供のつけていた
ブレスレットを自分の娘に与えるでしょうか。
それだけの悪党だという描写なのかもしれませんが、
まったく伝わってきません。
posted by Boolean at 21:53| サイコサスペンス

2007年09月13日

Alex Barclay "The Caller"



残忍な殺人事件が起きましたよ〜。
被害者は顔を破壊され、裸にされた上で
自宅で殺害されてましたよ〜。さらに死人を
辱めるように、
隠していた性的し好があからさまになるような状態で
放置されてましたよ〜。
NYPDの刑事Joeは以前に起きた事件のせいで
ばらばらになっちゃった家庭をなんとかしようとしつつ
事件にいどむのですよ〜。

なんかやる気のない粗筋説明ですが、
正直いってつまんなかったので仕方ありません。

この人が変な事をする理由は「この人は変な人だから。」
で片付けてるみたいな小説でした。

事件そのものはショッキングなんですが、
犯人が何故そんな事をするかっていうと
「ソシオパスだから」みたいな説明ですまそうとしてます。

ソシオパスならソシオパスなりに、
なんでそんな残忍な事をするか、何故そんなオブセッションを
抱くにいたったか、もうちょっと説明せんかい、みたいな。

主人公の家庭が壊れつつあるのをなんとか修復しようというのが
サイドストーリーなんですが、
そちらに主眼が行き過ぎていて、肝心な事件の方は
中途半端、クライマックスも盛り上がりきれてません。

ホームドラマが見たいならホームドラマを見るから。
ミステリーは事件に主眼を置いていただきたいです。
posted by Boolean at 22:52| サイコサスペンス

2007年07月28日

Thomas Harris "Hannibal Rising"読み終わりました。



あのレクター博士に秘められた悲しい過去。
よくも俺の妹を食いやがったな、大間違いだぜ。
復讐のため、そして愛する人を救うため、
見ててくれ伊達政宗殿、今怒りの短刀が血飛沫を上げる!

なにそれ、って思うかもしれませんが、
ほんとにこんな話だったんですよ!!!!!
安いよ安すぎるよ。
まるでB級アクション映画。
邦題は「ハンニバル(安)」でいいんじゃね?

Amazon.comのレビューで本国の人の反応を見ても、
「どんな言葉でも言い尽くせない程ひどい。」
「もっとちゃんと書いてくれる人にキャラクター売っちゃえば
いいのに」

などなど逆絶賛の嵐。

B級バイオレンスノベルだと思えばまあ面白いんですけど、
レクター博士ものでこんなことされた日には
読者はたまったものじゃありません。

Booleanがいつもの二分の一以下の時間でこの
本を読み終わってしまったところにも
この小説の内容のスッカスカぶりが伺えます。
もう突っ込みどころ満載である意味面白かったので、
この項続きます。
posted by Boolean at 14:01| サイコサスペンス

2007年07月22日

Thomas Harris "Hannibal Rising" 読んでます。



あのレクター博士の生い立ちが描かれた"Hannibal Rising"
のペーパーバック版が出ているのを本屋で見かけたので
買いました。今日、3分の1ほど読みました。
レクター博士が何故あのような怪物になってしまったのか、
その過程が明らかになるということでわくわくしながら
読みはじめたのに。
……なんかめちゃくちゃ安っぽくないですか?これ。

もう眠いので理由はまた今度書くことにしますが、
後半でちゃんと盛りかえしてくれるのでしょうか。
他の人の感想見るのが怖い。
前作"Hannibal"も面白く読んだものの、
「なんか微妙……」と思ってしまったのですが。

自分の中ではレクター博士ものは
"The Silence of the Lambs"で終わったことにしとこうかな。
posted by Boolean at 22:15| サイコサスペンス

Ruth Rendell "The Water's Lovely"



その日、15才だったイズメイは母親と買い物から
帰宅し、浴室で継父のガイがバスタブで
溺れ死んでいるのを発見する。
家にいた13才の妹ヘザーの洋服は濡れていた。
ヘザーがガイを殺したのだろうか。
しかし、警察はガイの死を事故とみなした。

ガイは以前からイズメイに性的な興味を持っていて、
イズメイの身体を触ったり、唇にキスをしたりすることが
たびたびあった。イズメイは決してそれが嫌ではなかったが、
ヘザーはその光景を目にして、イズメイが
ガイにレイプされるのではないかと
恐れていたようだ。
ヘザーはイズメイを守るためにガイを
殺したのかも知れなかった。

9年後、イズメイとヘザーは大人の女性に成長し、
ヘザーはエドという男と婚約する。
幸せそうな二人を見て、祝福するイズメイ。
しかし、イズメイは悩んでいた。
エドに9年前の事件を告げるべきなのか、
黙っていて二人を幸せなままにしておくべきなのか。

真実を水の底に沈めたまま、
人は平穏な暮らしができるのだろうか……

ヒロインの家族と周辺の人々の細かいエピソードを
重ねていきながら話をすすめる手法の小説でした。
なんでもないエピソードが重なりあい、
他人だった人々に接点ができ、物語はある方向へと
進んでいきます。そして一気に訪れるカタストロフィ。

ヒロインのイズメイを始め、
イズメイの母親、イズメイのおばなどの女性登場人物たちが
不幸な恋愛をしてるのが印象的でした。
横暴で不実で時には暴力を振るうような男を
彼女達は必死に愛してます。
ヒロインのイズメイは真実から目を背けて必死に恋人に
縋ろうとしています。
現代的で自立した女性なのに何故不実な男に
すがろうとしてるのか、不思議なくらいでした。

うっすらネタばれ気味に結論を述べると、
イズメイは最後まで真実から目をそらし続けます。
どんな形でかは読めばわかりますが。
真実を沈め、時には押しながしてしまうもの、
そういった象徴として"water"が効果的に使われていました。
posted by Boolean at 13:31| サイコサスペンス

2007年07月10日

「噂」 荻原浩

渋谷で遊ぶ女子高生達の間で急速に広まったある都市伝説。
女の子を殺した後、足首を切り取る連続殺人犯がいる。
その男はいつもレインコートを着ているので
レインマンと呼ばれる。
レインマンは何故か「ミリエルローズの香水を
つけている女の子」だけは狙わないのだ。

実はこの噂は、企画会社が新作の香水を売り出すために、
故意に広めた作り話だった。狙いはあたり、レインマンの噂と
ともに、ミリエルローズの名も女子高生達の間で広まった。
そして足首の無い女子高生の死体が発見された。
噂が実体化したかのように。

都市伝説、匿名掲示板、チェーンメール、
フェテシズムなどの要素を盛り込んで、
小奇麗にまとまったサイコサスペンスだった。
ひとつひとつの要素に対する描写はあっさりしているため、
全体の印象もあっさりとしていて端整。テンポよく
さらさらと読めてしまった。
もっとそれぞれの要素に執拗な描写があって、
それらが有機的に絡みあった上で
連続殺人犯レインマンの無気味な存在がたちのぼってくる様が
読みたかった気がする。
そうなるとこの小説はもっと長くても良かったかもしれない。ちょっと物足りない。
特に犯人のもつフェテシズムに関するエピソードは、
説明的にさらっと描写されているだけなので、
事件そのものの無気味さが半減していると思う。
いまどきはこのくらいさらっとしてないと
読者がついてこないのかもしれないけど。

企画会社が都市伝説をねつ造してまで女子高生達を
ターゲットに売りたかったアイテムが
香水であるという設定は現代風で、物語にしっくりきてる
と思う。
香水販売のターゲットが低年齢化し、
普通の女子高生でも香水をつけるようになったのは
ごく最近だからだ。

主人公の小暮刑事の人物像が良い。
取り調べではどんな容疑者でもかならず落とす鬼刑事なのに、
傲慢なところは一切無い。捜査の途中で出会う何人もの
少女達の独特な文化にとまどいながらもそれらを素直に
受け入れていくさまがなんとも可愛い。

最後に。
この小説は衝撃のラスト一行が売りになっているが、
本当にラスト一行、いや数文字で背筋が氷った。

(2006/08/23 Boolean' Net UP分 再録)

posted by Boolean at 23:49| 日本語の本

2007年06月16日

Iain Banks "The Wasp Factory"



幼い時、犬に性器を噛みちぎられ性的不能になっている
16才の少年フランクは、小さな島で父親と二人きり、
社会から隔絶された生活を送っていた。
フランクは独自の残酷な規則にのっとって
確率された世界の中で小動物を生け贄にしたり、
"factory"と呼ばれる装置から
託宣を受けたりしながら生きていた。
フランクは3人の人間を殺した過去があった。
そのうち1人はフランク自身の幼い弟だった。

ある日、"factory"が「何かがおこる」と託宣をした。
それを受けるようにフランクは不吉な知らせを受け取る。
フランクにはエリックという兄がいた。
エリックは精神を病んで狂暴性を発揮するようになったため
遠くの施設に収容されていた。
そのエリックが脱走したというのだ。

この本は昔、「蜂工場」という題で翻訳されていたのを
読みました。翻訳版は今は絶版になってます。
その時はこの不思議な世界を理解することができなかったのですが、この本を読んだことは私の脳内で
「何か説明できないが怖くて無気味な体験」の中に
振り入れられたまま何年かたちました。
フランクのモノローグで話は語られているのですが、
異常な世界を淡々と語られていて、それが無気味さを
増していたのを覚えています。
わけは分からないのですが、残酷で歪んでいて美しいその
世界は明け方に見た説明のできない悪夢のような読後感でした。

偶然原書を発見したので再読してみました。
今回はフランクの世界が自分の中で輪郭を描きました。

翻訳を読んでから原書を手にとるまでの間に
「酒鬼薔薇事件」が起きたからです。

独特の理論を持っていて、小動物を虐待したり、
独自の儀式を行ったり、独自の神を作り上げたり、
人を平然と殺したりする人間がいるのだという事を
現実の世界から教えられてしまったからです。

フランクはまさにそういった人間でした。

この話は、脱走した凶暴で狂った兄エリックが
フランクのもとに戻りつつあるという緊迫感と
フランクの過去に行った殺人の回想とが交錯した形で進みます。

フランクのもとに向かっているエリックが途中で何度も
電話をかけてきて、「今〜にいる」と告げる様はまるで
「私リカちゃん、今あなたの駅にきたの」みたいな感じで
めちゃめちゃ怖いです。

翻訳版は表紙に「結末は誰にも話さないで下さい」みたいな
事が書いてあって、けっこう衝撃の結末が話題になったと
記憶しています。
しかもその結末に対する読者達の反応はだいたい
「トホホ」というものです。

たしかにこの結末を「オチ」ととらえると
いちまつの「トホホ感」が漂いますが、
この結末はむしろ強烈なアイロニーととらえれば
いいのではないでしょうか。
フランク本人も「皮肉だ」と言っているように。

フランクは性的に不能なので、ふつうの男としての
人生は望めません。そのため独自の世界を綿密に作り上げて
いたわけですが、この結末はその世界を根本から否定する
結果になってしまったので、皮肉です。
結局どんなに世界を作り上げようとも、思い通りには
ならなかったのですから。

最後に、題名の"the wasp factory"とは
フランクが大きな時計を再利用して作り上げた
託宣装置のことです。いくつかの小部屋に仕切られていて
時計板の部分には穴があいています。
その穴に蜂を追い込むとそれぞれに違った仕掛けが
ほどこされている小部屋の中で
蜂は死んでゆきます。その死に方で託宣を得るという
非常に残酷な装置です。
posted by Boolean at 23:32| サイコサスペンス

ペーパーバック初心者

けっこう「ペーパーバック初心者」とか「ペーパーバック
読みやすい」とかの検索ワードでこのブログに
たどりつかれる方がいらっしゃいますので、
ちょっと意見など述べてみたいと思います。
まあ、参考程度に聞き流してください。

外国語が読めるようになるかどうかは、
「ここに何が書いてあるのか知りたい!」という
執着心が大きな役割をはたしていると私は思います。
ですので、ペーパーバックを読んでみたいと思う方は
自分が読みたいと思った本にとにかくトライしてみては
いかがでしょうか。現代小説で売れ筋系なら、
手におえない程難解ってことはまずないと思います。
もちろん高校卒業程度の英語力があるとしての
話ですが。

古典小説には、「うわ、この小説、定冠詞とかBe動詞
とかhave動詞以外は全部わからない単語だ。
しかも文章長。1チャプターが1センテンスなんですが。」
みたいなのありますが、現代の小説で、売れ筋の本だったら
それほど難しい文章ではない場合が多いです。

だから読みやすい本をさがすより、
まず読んでみたい本をさがした方がいいんじゃないかな
と、私は思います。

読みたい!と思う心がペーパーバックを最後まで
読みとおすための一番の力だと思いますよ。

心配だったら実物を手にとって1ページだけさらっと
読んでみるのがおすすめです。
Amazon.comで中身が数ページ読めるものもありますし。

ただ、あんまり長いと途中でいやになる可能性が
高いので、あまりに分厚い本はおすすめしないです。

あくまでも現代エンターテイナー小説を読みたい方向けの
意見でした。
純文学系は現代小説といえど難解な文章で
書かれているものがありそうなので。

ネットで読みやすいペーパーバックを
さがす、という行為を否定してるわけじゃないです。
ただ、こんな考えもあるよ、と御参考までに
意見を述べてみました。

このブログのレビューでは、おのおのの小説の難解度には
触れてません。何を読みづらいと感じるかは
人によって違うので、無責任に「読みやすい」とか
おすすめできないし。読みながらいちいち
「これはTOEIC何点レベルだな。」なんて考えて
読んではいないですし。萎えるじゃないですか、そういうの。(笑)
posted by Boolean at 19:19| 雑記

2007年05月28日

Andrew Taylor "A Stain on the Silence"



ジェイムズは少年時代、親友の美しい義母リリィと情事を重ねていた。

24年後、リリィはジェイムズに二人の間に娘が生まれていたことを
突然告白し、娘を助けて欲しいと頼みこんできた。

二人の娘であるケイトは殺人容疑で追われる身となっており、
ジェイムズに彼女をかくまって欲しいというのだ。

ジェイムズはその時、愛する妻と幸せで順調な生活を送っていた。
そこにケイトがあらわれた事により、ジェイムズの生活は
脅かされてゆく。

そして過去に隠された重大な秘密も明らかになろうとしていた。

ジェイムズの少年時代の、美しくセクシーな年上の女性との
情事は叙情性を持って描かれていて、そこだけ読めば青春小説の
様です。愛のない、強迫観念にかられて相手を求めているだけのような
関係。ふつうの小説だったら、それはただの苦い思い出で終わるところが
この小説ではそうはいきません。
ジェイムズは妻と出会ったことによって女性への愛情というものを
初めて知るのですが、その幸せが過去の過ちによって壊れていくのが
哀れです。

過去の悲劇が現在に重大な影響を及ぼし、さらに次の悲劇を
生んでいく、過去から連綿と続く人間の愛憎のしがらみが
恐ろしい小説です。

ジェイムズとケイティが、とりあえず空腹をみたすために
人から身を隠すようにしながら買い物をして、
二人でパン、チーズ、オリーブの実など、
適当なものを夢中で食べる食事シーンが印象に残りました。
ケイティは妊娠しているのですが、
そのせいかグレープフルーツジュースを飲みたがっていて、
それがセクシーに感じました。
生理的に食べ物や飲み物を欲している様は不思議にセクシーだと思います。
posted by Boolean at 17:41| サイコサスペンス